足のお悩み百科

40代から準備が必要!ロコモ、サルコペ二ア、フレイルにならないために

この記事の監修者

株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士

靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会

最近では、健康食品などの影響で「ロコモ」という言葉が浸透してきましたが、何となくのイメージで理解されている方も多いはずです。
そこで、「ロコモ」を中心に「サルコペニア」「フレイル」といった類似する用語の説明をしながら、予防方法を紹介していきたいと思います。

そもそも3つの違いって、何?

私たちも混同しがちですが、「サルコぺニア」は、Sarco(筋肉)Penia(減少)。
読んで字のごとく、筋肉が減少することで、20代以降、長い時間をかけて進行していきます。
ロコモティブシンドロームは、運動機能が衰えて移動機能が低下することです。また、これらが進行して身体だけではなく、精神的にも虚弱してしまった状態を「フレイル」といいます。
起き上がったり、歩くのが辛くなり、家の中にこもってしまう非常に危険な状態です。

筋力低下が招く悪循環

「人は足から歳をとる」と言いますが、下半身の筋肉は40歳から年に0.5%ずつ減少し、65歳を過ぎるとその減少率が大きくなり、80歳までに30〜40%低下するといわれます。
筋肉が減ると運動量が減り、食欲も衰えることで低栄養になり、転んで骨折して伏せがちになり、さらに筋肉が減る…という悪循環を招きます。
また、筋肉、筋力の低下は、認知症との関連も高いといわれるので、運動と栄養補給を心がけ、悪循環を回避しましょう。

若いうちからの予防が肝心

必ずしも、この順番とは限りませんが、サルコペニア→ロコモ→フレイルという順番で問題が顕在化してきますので、

  1. 若いうちから適度に筋力を鍛え、維持することでサルコペニアを予防する。
    ※但し、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの場合は医師の指導に従って下さい。
  2. 50〜60代以降は、筋力の維持だけでなく、膝関節・股関節のケアや体重管理による肥満の予防、骨粗鬆症の予防などトータルなケアを考えなければいけません。
  3. 最終的にフレイルになってしまわないように、ロコモの症状を改善、ケアしつつ、少しでも長く歩き続けることができるように維持する努力が必要です。

サルコペニアの予防

運動による予防

筋肉量を増やし、筋力や身体機能を改善するためには、適度な有酸素運動が効果的です。スポーツジムで、重いバーベルを持ったり、高負荷の下半身トレーニングをしなくても、毎日の生活の中で、散歩をする、ラジオ体操をする、トレッキングをするなどの低強度の運動習慣を無理なく続ける方が効果的です。
高負荷のものは、結果的に腰や膝を痛めてしまいロコモを誘発してしまうので注意してください。

食事による予防

適度な運動とともに、もう一つ大事なことは、良質なたんぱく質をとることです。肉、魚、乳製品などの動物性たんぱく質、豆類の植物性たんぱく質、必須アミノ酸をバランスよく摂取することを心がけてください。
但し、中高年の場合、過剰摂取は禁物です。特に、最近はプロテインが非常に流行っていますが、個人的にはあまりお勧めしません。肝臓や腎臓に負担がかかってしまうので、あくまでも食事で摂取できる範囲で十分です。
筋力強化した結果が腎不全なんて本末転倒ですよね。

ロコモの予防

適度な運動や正しい食事によってサルコペニアを予防しても、膝痛、腰痛、足裏痛などにより歩くのが困難になることもあります。怪我による骨折もそうですね。
ロコモの予防といっても、人によって対策しなければいけないことが多岐にわたります。ここでは、簡単なロコモチェック方法と、足部で気を付けなければいけないことを紹介します。

簡単ロコモチェック

「ロコモ度テスト | 日本整形外科学会/ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト」
https://locomo-joa.jp/check/test/

さすが、日本整形外科学会が作っているだけあって、わかりやすく的確なチェック方法です。
ぜひお試しください。

足部で気をつけたいこと

一般的には、骨粗鬆症や膝関節症、大腿骨骨折などがロコモの原因としてあげられますが、足部で気をつけるべきことは「つまずかない足」を作ることに尽きると思います。
多少の外反母趾やモートンは履物を気をつけることである程度はカバーできますが、つまずいて大腿骨骨頭を骨折したり、足関節を骨折するなどをしてしまうと、ケガによる身体的ダメージ以上に心的ダメージも大きく、一気にフレイル化してしまう恐れがあります。

つまずかないために

片足立ち、スクワット、ヒールレイズ、フロントランジ

「ロコトレ | 日本整形外科学会/ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト」
https://locomo-joa.jp/check/locotre/

無理のない程度に行い、下半身のバランスを強化しましょう。

サイズの大きすぎる靴を履かない

大きすぎる靴を履いていると、靴の中で足が動いてしまったり、フットクリアランスを大きめに取らなければいけなかったりと、デメリットばかりです。脱ぎ履きは楽でいいかも知れませんが、結果的には疲れやすく、転倒のリスクが高まります。足底筋膜炎や膝痛の原因にもなりますので、正しいサイズ選びをしましょう

大きいサイズ

トリプルエクステンションを心がける

下を向いて、膝を持ち上げるような歩行をしていると、腓腹筋・前脛骨筋を使わずに歩いてしまうことになります。
これが、結果的に下腿部の筋力低下を招き、フットクリアランスを保てない危険な状態を誘発します。変形性膝関節症(OA)の原因にもなりますので、少し大股で、しっかり地面を蹴って歩くよう心がけましょう。

足裏の痛みはインソールでケア

中足骨骨頭痛や外反扁平足に伴う足裏の痛みは、内側縦アーチと横アーチを適度に支えてくれるインソールを使用することで、症状を緩和することができます。また、進行を抑えるという意味でも有効ですので、足裏に痛みがある方は試してみてください。

インソールを入れるだけ!たった10秒でお悩み靴を快適に

タイプ別のおすすめインソール

年齢別フレイルの予防

64歳以下の方は

高齢期のフレイルを予防する上で、この時期の健康管理が大事です。メタボや生活習慣病の予防と管理をして、脳卒中、心臓病、腎臓病などのリスクを減らし、または重症化を防ぎましょう。
また、セカンドライフについて考え、老後の生きがいをみつけておくことも大切です。

65〜74歳の方は

持病の慢性疾患を適切にコントロールしながら、フレイル予防を意識した取り組みをスタートする時期です。
おもに「1.栄養をしっかりとる」「2.体力づくり」「3.人とのつながりづくり」「4.お口の健康維持」を心がけましょう。

75歳以上の方は

フレイル予防を意識しながら、健康管理や健康づくりを行う時期です。
「1.栄養をしっかりとる」「2.体力づくり」「3.人とのつながりづくり」「4.お口の健康維持」を実践し、健康寿命をのばしましょう。

最後に

過ぎたるは猶及ばざるが如し

フレイルにならない為に、一番重要なのは、何事も適度に行うこと。
太りすぎもよくないけど、やせすぎもよくない。
運動は必要だけど、ストイックに運動して体を壊しても意味がない。

長く健康であるためには「適度」を心がけてください。

この記事内容をシェアする
URLをコピーする
URLをコピーしました!

AKAISHI公式通販コンテンツ

記事の内容で解決しない場合は、専門家に相談

足の専門家によるお悩み相談
フットケア相談室

専門家による足のお悩み相談を承っています。足や靴でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
※ご相談が集中した場合は回答にお時間をいただくことがございます。
※土日、祝祭日、年末年始、夏季期間は翌営業日以降の対応となりますのでご了承ください。

※お客様からお預かりする情報は、当社の個人情報保護方針よって適切な管理と保護に努めます。
※ご相談の内容によってはお返事に数日間をいただく場合がございます。